余命1年半。かりそめ花嫁はじめます~初恋の天才外科医に救われて世界一の愛され妻になるまで~
「兄貴となら付き合っていけるわよ。病気のことも、他の人より理解があるんだし──」
「だからだよ」
強張った声で、彼女の言葉を遮った。声と同じく硬い表情になる私を、ふたりが押し黙って見つめる。
「どんな病気で、どうなるかも全部知ってる人だからこそ言えないの。自分にはどうにもできないってわかった時、夏くんはきっと自分を責めるし、誰よりもつらくなると思う。そんな風になってほしくないから」
やっぱりふたりの前では本音が出てしまう。これでは余命を言わなくてもピンとくるだろう。
「そんなに、悪い状態なのか……?」
案の定、慎ちゃんが声を詰まらせながら言った。秋奈も今にも泣きそうな顔で言葉を無くしているけれど、ふたりのことも悲しませたかったわけじゃない。
話さないほうがよかっただろうかと少し後悔するも、今さらなのでせめて笑顔で明るく振る舞う。
「ごめん、まだわかんないの! 手術して、生体検査してからじゃないと正確な診断はできないんだって。だからこれは、最悪の場合の話。暗くしてごめんね」
平謝りした後、「ただ、夏くんには内緒にしておいてほしい」とお願いした。
「だからだよ」
強張った声で、彼女の言葉を遮った。声と同じく硬い表情になる私を、ふたりが押し黙って見つめる。
「どんな病気で、どうなるかも全部知ってる人だからこそ言えないの。自分にはどうにもできないってわかった時、夏くんはきっと自分を責めるし、誰よりもつらくなると思う。そんな風になってほしくないから」
やっぱりふたりの前では本音が出てしまう。これでは余命を言わなくてもピンとくるだろう。
「そんなに、悪い状態なのか……?」
案の定、慎ちゃんが声を詰まらせながら言った。秋奈も今にも泣きそうな顔で言葉を無くしているけれど、ふたりのことも悲しませたかったわけじゃない。
話さないほうがよかっただろうかと少し後悔するも、今さらなのでせめて笑顔で明るく振る舞う。
「ごめん、まだわかんないの! 手術して、生体検査してからじゃないと正確な診断はできないんだって。だからこれは、最悪の場合の話。暗くしてごめんね」
平謝りした後、「ただ、夏くんには内緒にしておいてほしい」とお願いした。