余命1年半。かりそめ花嫁はじめます~初恋の天才外科医に救われて世界一の愛され妻になるまで~
りほさんが本当に夏くんを手に入れたいなら、私に彼のピンチを教えずにいたほうが都合がいいはずだ。院長を味方につける絶好のチャンスでもある。
それなのに、あえて私を叱ったのは……夏くんのところへ向かわせるため? だとしたら、りほさんはとんだお人好しだ。
私は彼のもとへ戻ってもいいのだろうか。私がいてもいなくても迷惑をかけることになる。彼にとってはどちらがマシなんだろう──。
悶々と頭を悩ませていた時、はたと気づいた。私は夏くんの意思をなにも聞いていないと。
夏くんにとってなにが本当に迷惑なのか、どうするのが一番幸せなのかをなにも聞かず、離れるのが最良だと勝手に決めつけていた。もしも自分が彼の立場なら、離れることなど望まないのに。
残された時間がわずかだと知ったら、少しでも長く一緒にいたいと思う。どんなに苦しく、つらくなっても、共に生きたことを後悔したりしない。彼も同じ気持ちなんじゃないだろうか。
心を覆っていたもやが一気に晴れていく気がした。悲劇のヒロインぶっていたのかもしれないと、自分に呆れて苦笑が漏れる。
それなのに、あえて私を叱ったのは……夏くんのところへ向かわせるため? だとしたら、りほさんはとんだお人好しだ。
私は彼のもとへ戻ってもいいのだろうか。私がいてもいなくても迷惑をかけることになる。彼にとってはどちらがマシなんだろう──。
悶々と頭を悩ませていた時、はたと気づいた。私は夏くんの意思をなにも聞いていないと。
夏くんにとってなにが本当に迷惑なのか、どうするのが一番幸せなのかをなにも聞かず、離れるのが最良だと勝手に決めつけていた。もしも自分が彼の立場なら、離れることなど望まないのに。
残された時間がわずかだと知ったら、少しでも長く一緒にいたいと思う。どんなに苦しく、つらくなっても、共に生きたことを後悔したりしない。彼も同じ気持ちなんじゃないだろうか。
心を覆っていたもやが一気に晴れていく気がした。悲劇のヒロインぶっていたのかもしれないと、自分に呆れて苦笑が漏れる。