余命1年半。かりそめ花嫁はじめます~初恋の天才外科医に救われて世界一の愛され妻になるまで~
『どうしてそんなことを……?』
『周りから結婚話を出されなくするため、っていうのがひとつの理由。もうひとつは、俺が天乃を好きだから』
目を見張るりほさんに、俺は口角を上げて『彼女を手に入れたかったんだ。どんな形でもね』と、ざっくばらんに告げた。彼女はまだチャンスがあるのではないかと期待していたようだが、俺の想いを知って意気消沈していた。
でも、正攻法ではないやり方は結局うまくいかないのかもなと、今の状況を嘲りながら院長をまっすぐ見つめ返して口を開く。
「そうです。騙すような真似をして、大変申し訳ありませんでした」
潔く認め、深く頭を下げた。院長はやや面食らった様子を見せたものの、眉をひそめてりほさんと同じ質問をする。
「君ほどの人間が、周囲を欺いてまで婚約を装っていたのはなぜなんだ?」
頭ごなしに非難するでもなくまず理由を聞くところに、彼の温情深い人間性が表れている。
嘘がバレた際には真実を伝えるまでだと最初から決めていたため、俺はためらわずに話し出す。
「私はずっと、彼女に想いを寄せていました。ですが、ワケあって告白できずにいたんです」
「ほう……」
俺の話がよっぽど予想外だったのか、院長は目を丸くして興味深げに身を乗り出してくる。
『周りから結婚話を出されなくするため、っていうのがひとつの理由。もうひとつは、俺が天乃を好きだから』
目を見張るりほさんに、俺は口角を上げて『彼女を手に入れたかったんだ。どんな形でもね』と、ざっくばらんに告げた。彼女はまだチャンスがあるのではないかと期待していたようだが、俺の想いを知って意気消沈していた。
でも、正攻法ではないやり方は結局うまくいかないのかもなと、今の状況を嘲りながら院長をまっすぐ見つめ返して口を開く。
「そうです。騙すような真似をして、大変申し訳ありませんでした」
潔く認め、深く頭を下げた。院長はやや面食らった様子を見せたものの、眉をひそめてりほさんと同じ質問をする。
「君ほどの人間が、周囲を欺いてまで婚約を装っていたのはなぜなんだ?」
頭ごなしに非難するでもなくまず理由を聞くところに、彼の温情深い人間性が表れている。
嘘がバレた際には真実を伝えるまでだと最初から決めていたため、俺はためらわずに話し出す。
「私はずっと、彼女に想いを寄せていました。ですが、ワケあって告白できずにいたんです」
「ほう……」
俺の話がよっぽど予想外だったのか、院長は目を丸くして興味深げに身を乗り出してくる。