余命1年半。かりそめ花嫁はじめます~初恋の天才外科医に救われて世界一の愛され妻になるまで~
二週間なんてあっという間だ。それまでにできるだけたくさんの思い出を作っておきたい。
なにかいい口実はないだろうか。夏くんの誕生日は来月だし……と考えつつ私も食事を終えた時、テレビから風情のある音が聞こえてきて目をやる。ドーンと音を響かせて夜空に広がる光の花を見て、これだ!とひらめいた。
「ねえ夏くん、あの花火大会に行かない?」
テレビを指差してやや前のめりに誘ってみると、なにかを考えていたような彼もそちらに視線を移し、思い出したように口を開く。
「みなとみらいで毎年やってるやつか。そういえば今週末だって脳外の皆が話してたな」
「あ、そっか仕事……。そんなに都合よく休みじゃないよね」
そうだ、夏くんは当直もあるし、急に誘っても無理だろう。諦めかけて肩を落としたものの、彼はスマホを手に取ってシフトを確認している。
「休みじゃないけど、予定してる手術が時間通りに終われば見られると思う。行こうか」
「ほんと⁉ やった! 約束ね」
「ああ」
人のことは言えず子供みたいに喜ぶ私を見て、彼はふっと柔らかな笑みを浮かべた。夏くんと一緒に花火を見るなんていつぶりだろう。
なにかいい口実はないだろうか。夏くんの誕生日は来月だし……と考えつつ私も食事を終えた時、テレビから風情のある音が聞こえてきて目をやる。ドーンと音を響かせて夜空に広がる光の花を見て、これだ!とひらめいた。
「ねえ夏くん、あの花火大会に行かない?」
テレビを指差してやや前のめりに誘ってみると、なにかを考えていたような彼もそちらに視線を移し、思い出したように口を開く。
「みなとみらいで毎年やってるやつか。そういえば今週末だって脳外の皆が話してたな」
「あ、そっか仕事……。そんなに都合よく休みじゃないよね」
そうだ、夏くんは当直もあるし、急に誘っても無理だろう。諦めかけて肩を落としたものの、彼はスマホを手に取ってシフトを確認している。
「休みじゃないけど、予定してる手術が時間通りに終われば見られると思う。行こうか」
「ほんと⁉ やった! 約束ね」
「ああ」
人のことは言えず子供みたいに喜ぶ私を見て、彼はふっと柔らかな笑みを浮かべた。夏くんと一緒に花火を見るなんていつぶりだろう。