スカイ・ネイル
日が上り皆が目を覚ますとケンは早速俺達を引き連れて家を出た。
相変わらず街は静かなままで木々の囀りだけが心地良く聞こえてくる。
きっとまたどこからか見られているんだろうと思いながらもそちらの方はなるべく目を向けないようにした。
ケンは良さそうな場所を見つけたのか男の家に眠っていたクワを手に取ると、慣れた手つきでどんどんとその場を耕していく。
「もしかしてケンさんの本職って・・・」
「あ?言ってなかったか?コバルト国の畑は全部俺が見てんだ。知らねぇ土地を耕すなんて滅多にないからな、腕が鳴るぜ!」
凄く意外だった。
思わず笑いが漏れそうだったが、久々の光景になんだか懐かしさを感じた。
「リースも村では畑仕事を手伝ってたのよ!私も時々見に行ってたし、力になるわ」
「なんだそうだったのか!おし、それなら案外早く出来そうだな。おっちゃん、この街から肥料になりそうなもん集めてきてくれ」
「は、はい!」
言われるがまま男はわたわたと走って行った。
休む間もなく、気がつくと頭上から強く照りつけていた日差しに止まらない汗を拭いながら。
時間を忘れ、それはどんどんと完成していった。