スカイ・ネイル
気がつけば辺りは真っ暗になっていた。
緩やかな風が吹いては草の合わさる音が心地よく聞こえ、長時間歩いた疲れを癒してくれるようだ。
いったいどれくらい歩いたのだろうか。
「ちょ、ちょっと休憩しない?」
さすがにルチルも体力の限界がきたのか膝に両手をついて立ち止まる。
それに合わせてリースとカナルバも足を止める。
「いいえ。この辺りは比較的安全地帯とはいえいつ盗賊等と遭遇するかわかりません。先を急ぎましょう」
相手の気持ちを察することはできるのにカナルバはなかなか容赦無いな。
「大丈夫か、ルチル」
屈んで顔を覗き込むが、やはりしんどそうだ。
ここはやっぱり少しでも休憩した方が・・・。