どちらとの恋を選びますか?【前編】~元彼vs同期の秘めたる愛の行方
 それから2人は、花火大会までの時間、軽く食事をした後、お店を見て回り、花火大会に来ている事を忘れるくらい、楽しく過ごした。

 打ち上げ時間が近づくと、人が段々増えてきた…
 油断してると、夏目君と逸れてしまいそう…

 「夏目君…ここ持ってていい?違う人に付いて行きそうで…」
 私が背中のシャツを掴むと、
 「あぁ、いいけど…」

 夏目君は戸惑った顔をしていたけど、
 「春風、人が多いから、少し離れたところ行こう」
 夏目君が先に歩くと、シャツを持っていても、人混みに流されそうになる。

 「危ないから、俺から離れるなよ」
 腕を掴んで、私を引き寄せ、そのまま人に流されないように、連れて行ってくれた。

 「ここまで来たら大丈夫だな。もう少し歩こうか」
 夏目君が離した私の腕には、まだ熱が残っている。
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