どちらとの恋を選びますか?【前編】~元彼vs同期の秘めたる愛の行方
 先輩…
 思い出って、時に残酷だなって思う。

 捨てられても…あの時の嬉しかった記憶が鮮明に蘇るんだから…
 大好きだった先輩…

 そんなこと考えながら時間は過ぎ、もうすぐ終わりを告げる、連打の花火が始まった。

 「凄いね…体中に響き渡る。悩んでることが飛んで行くよ」
 「俺は…必死で隠してるのに…それに火が付きそうだ」
 「えっ?どんなこと」

 終わりを告げる花火が、一気に打ち上がり、夜空に目を向けた。

 「春風が好きだってこと」

 最後の花火が消えて、いつもの夜空が浮かび上がる。
 「終わったね」
 夏目君の方を見ると、真剣な顔つきで私を見た。

 「今の聞こえた?」
 「えっ?ごめん、花火の音で聞こえ無かった。何?」
 「…何でもないよ。終わったから帰ろうか」
 「うん…」

 寂しそうな顔…何て言ったんだろう…
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