どちらとの恋を選びますか?【前編】~元彼vs同期の秘めたる愛の行方
 家に着いて、夏目君が心配してるだろうと、直ぐに『家に着いたよ』とメッセージを送信した。
 すると直ぐに『安心した』それだけ返信が来た後、『おやすみ』のメッセージを送っても、既読にはならなかった。
 
 実家に帰って、皆で楽しいひとときを過ごしているのかな…
 でも、実家に電話している時に見た、険しい顔…何かあったのかも…

 いつも私の心配ばかりして、自分の辛いところは見せない夏目君。

 ここ最近、夏目君は、別の用件で外出する事が増えていた。
 社長と出掛ける事もあるし…

 夏目君は仕事が出来るし、きっと私の手が届かないところまで、突き進むんだろうな…

 距離が出来ていくことに、少し寂しさを感じる。
 ずっと、一緒に仕事が出来たらいいのに…

 夏目君のことを考えながら、ベッドに横になり目を瞑ると、今日の花火大会の光景が頭に浮かぶ。

 夏目君、何を聞いて欲しかったのかな…
 真剣な顔つき。何か大切なことだったのかも…

 そして、花火の残像を思い出していると、先輩の笑顔が思い浮かぶ。

 先輩…今頃、どうしてるんだろう…
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