どちらとの恋を選びますか?【前編】~元彼vs同期の秘めたる愛の行方
 やっぱり辞めようかな…
 そう思いながらゴミを片付けようとした時、声が聞こえて来た。

 「どうして、春風さんに意地悪言うんだ?」
 「意地悪じゃないですっ!注意しているだけだから」
 「そうは聞こえないけど。それにさっきのは、春風さんじゃないことくらい、分かるだろ?俺の可愛い後輩だ。もし、今度見つけたら、俺が許さないぞ」
 「わ、分かりましたっ!もう、彼女と話さないから!」
 「ちょっと待て。話さない?仕事で話はするだろ?変な感情を入れずに、普通に仕事しろってことだ」

 初めて耳にした、陽先輩の声の冷たさと、言葉使い…
 私の為に、腹を立てているのが分かる。
 陽先輩…

 そのスタッフは、私の横を通る時、チラッとだけ見て、そのまま仕事に戻った。

 陽先輩は、私が居たのに気づき、
 「もう大丈夫だからな」
 通り過ぎる時に、頭をポンポンと撫でて、仕事に戻った。
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