どちらとの恋を選びますか?【前編】~元彼vs同期の秘めたる愛の行方
 辛いなんて…ない。
 首を横に振って、陽先輩が私の頬を撫でる手を握った。

 「ううん…凄く…ドキドキしてて」
 今日、ここで、陽先輩に愛されたい…

 私を愛おしむように見つめると、包み込むようなキスに、頭が真っ白になる。

 首筋に唇が這って声が漏れると、色気漂う目で、見つめられた。

 「辛いって言っても、今の咲羅を見て、止められそうに無いよ。ごめんね」

 それから陽先輩は、ためらうこと無く、私の手を握り、何度もキスを繰返しながら、時間を掛けて、私の願いを叶えてくれた。

 そして、「咲羅…」と何度も耳元で囁く陽先輩の甘い声と、ベッドのきしむ音が響き、2人が愛し合う時間がゆっくりと流れていった。

 それからは、2人がバイトに入らない日は、一緒に出掛けた後、ホテルに行って、愛し合う。
 私は、陽先輩に色々教えられて、大人になっていった。

 幸せな時間…
 きっと、このまま続くんだ…そう思っていたのに…
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