どちらとの恋を選びますか?【前編】~元彼vs同期の秘めたる愛の行方
 陽先輩は、部屋に入って来た時、一瞬、驚きを見せたけど、何事も無かったように、立ち振る舞っている。

 もう、終わった関係なんだから、何も無かったように振る舞う方が、いいんだよね。
 フラれた私が気を使うことでもないし…

 それから、私は目を合わせる事が出来ず、夏目君の説明に合わせて、パソコンを操作する。

 「当社に合ったご提案を、ありがとうございます。では、早速、お願いしたい求人ですが…」
 夏目君と陽先輩が、打ち合わせを進め、募集内容をメールで連絡することになった。

 「では、本日はこれで失礼します」
 「御社は、他社で取り入れていない方法を、導入していると聞いています。今度ご説明いただけますか?」
 「はい、もちろんです。あっ、車に資料がありますので、お渡ししますね。春風、その間、ご質問があったら、お答えしてて」
 「は、はい」
 「冬月部長、少し席を外します」
 「えぇ、ごゆっくりどうぞ」
 笑顔を向ける陽先輩に、夏目君は頭を下げて、部屋を出て行った。
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