どちらとの恋を選びますか?【前編】~元彼vs同期の秘めたる愛の行方
 ブースに先に座って待っていると、夏目君がパソコンを持って来て、操作をしていた。
 聞いてみようかな…

 「夏目君、告白されたんだって?噂で聞いたけど」
 「あ、あぁ…知ってたんだ」
 夏目君が気まずそうな顔をしている。

 「うん。たまたま話してるの、聞いちゃって。でっ、返事したの?OKだよって」
 「その場で断ったよ」
 「えっ!西さんて、結構、他の男性社員に人気あるんだよ。勿体ない」
 「俺は一途なんだよ。好きでもない人と、付き合うなんて、無理だから」
 「ふーん、一途か…夏目君の彼女になった人、幸せだね」

 夏目君は私の顔を見て、少し間を空けて、ため息をついていた。

 「あのさ…聞いた時、どう思った?」
 「どう思ったって…夏目君、やっぱりモテるんだなぁって」
 「それだけ?」
 「うん。あぁ、後は」
 「後は?」
 「もう、夜とか連絡出来ないなぁって」
 「それだけ?寂しいって思ってくれた?」
 「そうだね…だって、夏目君とは気が合うから」

 夏目君に彼女…
 今まで考えもしなかった。

 「あっ、でもいいの。会社ではペアとして、仕事が出来るのは変わりないから。ただ、今みたいに、仲良く接していいのかなって…」
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