どちらとの恋を選びますか?【前編】~元彼vs同期の秘めたる愛の行方
 タクシーに乗って、目を閉じていると、
 「春風、着いたぞ」
 いつの間にか寝てしまって、その声に目が覚め、タクシーを降りた。

 「また、月曜日な」
 夏目君は、それだけ言うと、運転手さんに行き先を伝え、タクシーはドアが閉まると、直ぐに走り出した。

 夏目君…少し怒ってたな…
 私から誘ったのに、迷惑かけちゃったから。

 部屋に戻り、携帯をテーブルに置くと、夏目君からメッセージが届いた。
 まだ家に着くには、早いのに…

 『こんな油断した姿、俺以外だったら、危ないんだぞ!これから気を付けろ!』
 私が夏目君に寄りかかり、タクシーで寝てる写真と、その後、激怒スタンプが送られて来た。

 やだっ!私ったら…
 『ごめん!気を付けるから』
 『どうしても飲みたくなった時は、俺を誘え。早く寝ろよ!おやすみな』

 夏目君、いつも私のこと考えてくれている。
 
 夏目君は、今の私にとって、誰よりも信用できる人…
 他の人とは違う、特別な存在だ。

 同期…か…
 夏目君に抱き寄せられた時…
 いつもと違う夏目君にドキッとした。

 花火大会に2人で出掛けたり、今日みたいに女性として扱われると…
 仲の良い同期だけど、ちょっと男性を意識しちゃった…
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