どちらとの恋を選びますか?【前編】~元彼vs同期の秘めたる愛の行方
 笑いながら、そんな事を言う夏目君は、爽やかな空気を纏い、整った顔立ちは、男女年齢問わず、好感度が高い。

 「自惚れ過ぎでしょ?」
 私が冷たい視線を送ると、満面な笑顔で「だな」と言って、資料を確認していた。

 私達の会社は、本来、先輩、後輩とペアを組んで、訪問する事になっている。

 だけど、1年前、夏目君と組んでいた先輩が部署異動となり、私と組んでいた先輩の転勤時期が重なって、それからずっと夏目君と一緒だ。

 2人で組んでから、契約数が増え、異例として、ずっとペアで仕事をしている。

 夏目君とは、入社してから、気兼ねなく話せて、リラックス出来るのが、相乗効果をもたらしているのかも…

 「準備は、これで大丈夫だね」
 「重たいものは俺が持つから」
 「いいわよ。1人の時は持ってるから」
 「俺が一緒に行くのに、女の子に持たせるわけにはいかないよ」
 「女の子?女性でしょ?」
 「はいはい、女性ね」
 「もぉ!何よ、その言い方は!」
 「あっ、そろそろ時間だから行こうか」
 いつもの感じで、2人笑いながら、鞄を持って外出した。
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