どちらとの恋を選びますか?【前編】~元彼vs同期の秘めたる愛の行方
 午後になり、1件回った後、更に頭が痛く、体もだるい…

 でも、陽先輩、急募って言ってたから、早めに提案しないと…

 部屋に通され、立って待っているのも辛い…
 そこに、陽先輩が入って来て、少し驚いていた。

 「今日は、咲羅1人?」
 「はい。夏目は他の用事がありまして」
 「咲羅…顔が赤いぞ。熱があるのか?」
 額に触れようとした陽先輩の手が伸びる。

 「触らないで…下さい」
 私の言葉に、陽先輩の顔が曇る。

 どうして…そんな顔するの?
 見放した女なのに。

 「大丈夫です。それよりも、応募者候補については、既に夏目より、メールでご案内していると思いますが…」

 私は パソコンを操作しながら、
 「今日は、求人広告で、もう少し御社の良さが出せるように、見直しのご提案でして…」
 パソコンの画面を見せながら、淡々と説明をすると、陽先輩はただ黙って、話を聞いていた。

 「こちらの方が、より御社が求める人財の目を引くと思いますが、いかがでしょうか?」
 「咲羅…こんなに凜とした姿で、仕事をしているんだな」
 「ありがとうございます。では、ご質問はございますか?」
 「よく分かったよ。それで進めてくれるかな?」
 「承知しました。では、夏目に申し伝え、早急に手続きを進めます」
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