どちらとの恋を選びますか?【前編】~元彼vs同期の秘めたる愛の行方
 家に着くと、直ぐに薬を飲んで、ベッドに飛び込んだ。
 そうだ…携帯…

 携帯を見ると、夏目君からの着信履歴が表示されていた。

 「夏目君?ごめんね、電話くれたのに」
 「大丈夫か?冬月商事に行ってから、体調不良で早退したって聞いてさ。無事、帰れたか心配で」
 「あっ…うん。薬飲んだし、ゆっくり寝たら治るから」

 悪い事しているわけじゃ無いけど、陽先輩に送ってもらった事は、言えなかった。

 「春風は、頑張り屋だからな。俺が気付いてやらないとダメだったのに…ごめんな、今日1人で行かせたから」
 「夏目君のせいじゃないよ。夏目君と話したら、ホッとするね。ありがとう」
 「春風…」
 「安心したら、眠たくなってきちゃった…ごめん、切るね」
 「休日はゆっくりしろよ。また、月曜日な」
 「うん」
 「あっ、それから、戸締まりしろよ。春風は、しっかりしてそうで、抜けてるところ、あるからな」
 「そんな事言うのは、夏目君ぐらいだよ」
 「そうだろ?俺だから分かるんだ」
 「そうだね、さすが、名コンビだよ」
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