どちらとの恋を選びますか?【前編】~元彼vs同期の秘めたる愛の行方
 夏目君がこの先、この会社を背負っていく覚悟をしたんだから…
 私は…自分に出来る限りの事で、夏目君を支えていこう。

 「そう…夏目君が社長か…でも、きっと大丈夫だと思うよ」
 「その時はさ、春風、俺の専属秘書にならない?」
 「私が秘書?きっと、夏目君の秘書になったら、今と同じように、口出ししてしまうよ」
 「そうあって欲しいね。それなら、俺、頑張れるよ」

 夏目君は冗談を言って、照れ笑いするけど、相当のプレッシャーが、圧し掛かっているに違いない。

 「夏目君、私が出来る事はするからさ、無理しないでね」
 「ありがとう、春風」

 夏目君…
 今まで、苦しかったよね。
 少しでも力になりたい。
 私に出来る事で、支えるよ…

 でも夏目君…
 私の疑問はまだ残ってるけど…
 それは言いたく無いんだね…

 本当は、何故、名字が違うの?って聞こうとしたけど、言葉を呑んだ。
 それはきっと…
 私が踏み込んではいけない、領域だと思ったから…
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