どちらとの恋を選びますか?【前編】~元彼vs同期の秘めたる愛の行方
 夏目君は隠していた事を言えたせいか、少し緊張が溶けたように感じた。

 会議室から出て席に向かうと、戻って来た2人に、
 「冬月商事の冬月部長からだけど、繋いで大丈夫?」
 電話を取った先輩が声を掛けてきた。

 「あっ、すみません!俺、携帯持って行くのを忘れて」
 そう言って、夏目君は席に戻った。

 「夏目君じゃないわよ。春風さんお願いしますって」
 「は、はい」

皆に知られないように、 先週の事、後でお礼の電話をしようと思ったけど…

 「あの、携帯の方に転送、お願いします」
 夏目君には、送ってもらったこと言って無いし、心配かけると申し訳ないから…

 私は、携帯を持って、会議室に引き返した。
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