どちらとの恋を選びますか?【前編】~元彼vs同期の秘めたる愛の行方
 それも、夏目君のおかげ。
 夏目君がいなかったら、ここまで出来なかった。
 「夏目君、ありがとう」
 「な、何だよ、急に」
 「ううん、何でもない」
 私が微笑むと、少し照れ笑いしながら、前を向いて歩く。

 いつも傍にいるのが当たり前になってるけど、夏目君に彼女が出来たら、もうこんな風には出来ないのかな。

 やっぱり、一線を引かないといけないし…
 そう思うと胸がぎゅっと苦しくなる。
 やっぱり、寂しくなるんだろうな…

 「なぁ、春風」
 「ん?」
 「明後日の木曜日、冬月商事の訪問があるけど、どうする?俺1人でも大丈夫だぞ」
 「もちろん、行くよ。どうして?」

 夏目君は、何か言いかけたけど、
 「いや、それならいいんだ」
 そうか…きっと、元彼だった話を気にしてくれてるんだ…
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