どちらとの恋を選びますか?【前編】~元彼vs同期の秘めたる愛の行方
 陽先輩を見ると、笑顔なのに、目の奥が笑っていない…

 「な、夏目君、これでいいと思うわ。冬月部長、お待たせして申し訳ありません」
 私が、慌てていると、
 「先ほどのご質問の回答ですが、春風とは、阿吽の呼吸といいますか、お互いを理解して仕事をしているので、会社では名コンビだと、言われています」
 夏目君は、笑顔で陽先輩を見据えていた。

 陽先輩を見ると、真っ直ぐ夏目君に目を向け、視線がぶつかる。

 「それは私生活もですか?」
 「あっ、いえ…それは今からというか、私が一方的にというか…告白の返事待ちです」
 「な、夏目君!仕事とは関係無いことだから」
 「あっ、失礼しました。こちらですが、もう少しグレードアップしたプランがあります。今後の事を考えたら、お得と思います」

 夏目君は何事も無かったように、パソコンを陽先輩に向けて説明しだした。
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