どちらとの恋を選びますか?【前編】~元彼vs同期の秘めたる愛の行方
 陽先輩は私をチラッと見てから、何も言わず、夏目君の話を聞いていた。

 「では、検討して連絡します」
 「はい、お待ちしております」

 どうなるかと思ったけど…
 説明も無事終わり、ホッとしていると、陽先輩が私の方を見て、微笑んだ。

 「咲羅、あっ、申し訳無い、春風さん。熱が直ぐに下がって良かったですね」
 「えっ、は、はい。お陰様で、ありがとうございました」
 「かなり体が熱かったから、心配しましたよ」

 陽先輩のニッコリとした笑顔…
 この笑顔の後は、必ず激しく求められた…

 「こ、今後は、ご迷惑をお掛けしないように気をつけます。では、私達はこれで失礼します」

 慌てて荷物を片付けて、何か言いたそうな夏目君に「夏目君、行こっ」と声を掛けて、部屋を出た。
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