どちらとの恋を選びますか?【前編】~元彼vs同期の秘めたる愛の行方
 「でも、春風を心の底から愛していた。必死で捜していた。恨まずに分かってやってくれよ」
 「今更…」
 「ごめんな、余計なことかもしれないけど、あいつの憔悴してた姿、見てたから」

 私は言葉を出せないまま、目の前のカフェラテを意味も無く混ぜていた。

 「それと、あいつはまだ…あっ、やっばっ!春風、俺、次のアポあるからさ、またな!」
 垣谷先輩は、肩を軽く叩いて慌てて去って行った。

 今更…そんな事言われたって…
 離れてからどれだけ泣いて、寂しい時間を過ごしたか…

 でも思い出すのは…

 いつも優しく微笑んで、私の話を聞いてくれた。

 目を見つめて、愛おしくキスをされた。

 「咲羅、好きだよ」って、優しく抱きしめられた。

 陽先輩…
 どうして…思い出させるの…
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