双子の推しと一つ屋根の下!【noicomiマンガシナリオ大賞応募作】
第5話 なんだかほっとけない子
◆場面転換 家のリビング
蓮(俺に妹ができた)
ソファに座り、凛と一緒にご飯を食べて笑っている日奈子を見つめる蓮。
蓮(どうやら俺たちのファンらしい)
蓮(凛の風呂上がりの裸を見ては顔を真っ赤にし、俺の口ずさんだ歌を聞いては顔を真っ青にしたりと、毎日見てて飽きない。(凛は気づいていないみたいだけど))
百面相をしている日奈子を冷静に観察する蓮。
蓮(なのに、謝罪のインスタライブに顔出しで出て、全国放送で泣いたり…。
正義感が強く、危なっかしいところもある)
先日のSNS炎上からのインスタライブを思い出す蓮。
蓮(どうにも、ほっておけない存在だ)
油淋鶏を食べている日奈子を見て、微笑む蓮。
◆風呂上がりのリラックスムードの三人
蓮「はあ…」
日奈子「どうしたの蓮くん、ため息なんかついて」
蓮「いや、俺SNS苦手だからやってないんだけどさ。
今度ソロ曲を出すから、その宣伝のために期間限定でアカウント運営することになって…。
その写真を撮ってこいってマネージャーに言われて、困ってる」
日奈子「そうなんだ。
でも、普段SNSやらない蓮君なら、ファンはすごく喜ぶと思うよ!」
蓮「そうかなぁ」
気乗りしなさそうな蓮を励ます日奈子。
日奈子「今人気なのが、デート中の彼女にとってもらったような写真をあげるとか。
自分が彼女になった気分になれるから、キュンキュンするやつ!」
日奈子(というか、私がそれ絶対見たい!)
凛「お、いいじゃん蓮。俺が撮影してやるよ。この敏腕カメラマンに任せなさい!」
蓮「凛は明日ファッション雑誌の撮影があるだろ。明日の夜から公開するから、
明日の昼までに撮らなきゃいけなくて…」
凛「そうか、じゃあ日奈子に撮影して貰えばいいんじゃないか?」
日奈子「え、私!?」
蓮「そうだな…お願いできるかな、日奈子ちゃん」
日奈子「学校休みだし、予定ないし…いいけど、上手に撮れるかなぁ」
蓮「スマホのカメラで気軽に撮るだけだし大丈夫だよ。じゃあ明日よろしくね」
不安そうな顔の日奈子に微笑みかける蓮。
◆翌朝 家の前
蓮「行こうか。晴れてよかったね」
日奈子「うん」
蓮「今回のソロ曲は友達以上恋人未満の異性への気持ちを歌った歌詞なんだ。
その雰囲気っぽい写真を撮らなきゃいけなくて…。
俺が付き合う前の子と行くならここ、て場所なんだけど、ついてきてくれる?」
日奈子「もちろん!」
日奈子(蓮君と二人でお出かけするなんて、ドキドキする…!)
蓮「混んでるところは苦手だから、ゆっくりしよう」
◆おしゃれなカフェの店内
日奈子(テラス席のあるおしゃれなお店。よく知ってるなぁ蓮君)
店員「ご注文は?」(イケメンな蓮を見て頬を赤らめている)
蓮「俺はホットココア。日奈子ちゃんは?」
日奈子「あ、カフェラテでお願いします」
蓮「ふふ、おいしいね」
カシャッ
正面に座っている日奈子がスマホで写真を撮る。
伊達メガネ、カーディガン、髪はワックスをかけたオフの姿の蓮が、
ホットココアを両手で持ち、上目遣いをしている写真。
#初デート #コーヒーは飲めないからココアで #cafe
蓮(上目遣いやばい!彼女目線のオフ感蓮君、尊すぎる〜〜!!)
◆場面転換 本屋
蓮「本屋寄ってもいいかな。今日発売の欲しい本があるんだ」
日奈子「いいよ。蓮君普段はどんな本読むの?」
蓮「ミステリーとか好きかな…。歴史物もよく読むよ」
カシャッ
本棚から本を手に取り、真剣な顔でページをめくっている蓮の写真。
#実は本好き #ミステリーと歴史物どっちにしようかな #BOOK
日奈子(くう〜文学男子な蓮君も、解釈一致すぎて感謝しかない!!)
◆場面転換 公園のベンチ
蓮「ふう、結構歩いたから休憩しようか」
日奈子「うん。結構たくさん撮れたね。そういえば、ソロ曲ってどんな曲なの?」
蓮「ああ、サンプルを送ってもらったから、一緒に聴こうか。
イヤホン片方貸すね」
日奈子「あ、ありがとう…」
ベンチで寄り添い、スマホを片手に持った蓮が至近距離にいる。
耳からは穏やかなバラードが流れ、蓮の声が聴こえる。
(素敵な曲…ほんと、蓮君の歌声って、心がすっと落ち着くな…)
(あ、その顔…!)
自分の曲を聴きながら微笑む蓮の自然な表情が良くて、日奈子が写真を撮る。
カシャっ
#片耳イヤホン #二人で新曲を聴こう #Music
蓮「あ、今写真撮った?」
日奈子「うん、すごい自然で、いい笑顔だったから…!」
蓮「そっか、俺やっぱ歌うの好きだからさ。自然とリズムとっちゃってたのかも」
眉を下げて恥ずかしそうに笑う蓮。
(まさに本当の彼女しか見れないような距離、シチュエーション…!
撮影係とはいえ、役得すぎる…!一生分の運を使い果たした…!?)
蓮「ありがとう、日奈子ちゃん」
日奈子「いやいや、どうせ暇だったし!ジェミニの役に立てるならいつでも呼んでね」
蓮「いや、今日のことだけじゃなくて…。
俺も凛も、小さい頃から母親はいなくて、父親は忙しく仕事してたから。
家に帰ったら笑顔で出迎えてくれる人がいるの、すごく嬉しいんだ」
日奈子「そんな…私は凛君みたいのおいしいご飯も作れないし…蓮君ほど綺麗に掃除もできない…。ただ待ってるだけで…」
蓮「それでいいんだよ。家族って温かいなって思ったんだ」
日奈子「私も、お母さんが忙しくていつも家で一人だったから、
二人がお兄ちゃんになってくれて嬉しいよ!」
蓮「よかった。俺たちのせいでこの前の炎上騒動みたいに色々と面倒なこともあると思うけど、これからもよろしくね。じゃ…寒くなるしそろそろ帰ろうか」
夕焼けが蓮の顔を染める。
穏やかな笑みを浮かべて、日奈子に手を差し伸べる蓮。
カシャ。
#そろそろ帰ろう #楽しかったね #Orange
蓮「あ、また撮ったね」
日奈子「すごく…ファンが喜ぶ構図だったから…!」
蓮「はは、さすが日奈子ちゃん」
◆場面転換 次の日、日奈子の高校の教室
友人1「日奈子! 昨日公開された蓮君のSNSやばいよね!」
友人2「めっちゃ彼女視点でキュン死にだわー!」
日奈子「あはは、だよね」
友人1「誰が撮ったんだろう。ファンの気持ちわかりすぎてる!」
友人2「オフ感と特別感あるのに、女の影は見えないのが良い!」
(それはこの前の炎上で懲りたから、絶対私が写り込まないようにしたんだよね…。
好評なようでよかった。お手伝いができたかな)
◆場面転換 タレント事務所
マネージャー「蓮、よくやったな!新曲用の宣伝SNS、大人気だ!
一日で20万人もフォロワーがついたぞ」
ダンスの練習をしていて汗を拭いている蓮。喜ぶマネージャー。
蓮「そうですか」
マネージャー「新曲のMVももうすぐ100万再生いきそうだ。これは順調だな…!」
蓮「よかったです」
蓮「…やっぱり、実際の相手に対して本心を歌ったのが良かったのかな…」
ぼそっと呟いた言葉は、誰にも聞かれていない。
回想シーン
『友達以上恋人未満の気になる異性に歌った曲なんだ』
カフェで正面に座り、カフェラテを飲んでいる日奈子。
本屋でジェミニが表紙のアイドル雑誌を手に取っている日奈子。
ベンチの隣で頬を赤くしてイヤホンをつけて曲を聴いている日奈子。
昨日の、蓮から見た視点の日奈子を思い出し、自然と微笑む蓮。
蓮(なんだかほっとけない子ができたんだ。それだけ)
蓮(俺に妹ができた)
ソファに座り、凛と一緒にご飯を食べて笑っている日奈子を見つめる蓮。
蓮(どうやら俺たちのファンらしい)
蓮(凛の風呂上がりの裸を見ては顔を真っ赤にし、俺の口ずさんだ歌を聞いては顔を真っ青にしたりと、毎日見てて飽きない。(凛は気づいていないみたいだけど))
百面相をしている日奈子を冷静に観察する蓮。
蓮(なのに、謝罪のインスタライブに顔出しで出て、全国放送で泣いたり…。
正義感が強く、危なっかしいところもある)
先日のSNS炎上からのインスタライブを思い出す蓮。
蓮(どうにも、ほっておけない存在だ)
油淋鶏を食べている日奈子を見て、微笑む蓮。
◆風呂上がりのリラックスムードの三人
蓮「はあ…」
日奈子「どうしたの蓮くん、ため息なんかついて」
蓮「いや、俺SNS苦手だからやってないんだけどさ。
今度ソロ曲を出すから、その宣伝のために期間限定でアカウント運営することになって…。
その写真を撮ってこいってマネージャーに言われて、困ってる」
日奈子「そうなんだ。
でも、普段SNSやらない蓮君なら、ファンはすごく喜ぶと思うよ!」
蓮「そうかなぁ」
気乗りしなさそうな蓮を励ます日奈子。
日奈子「今人気なのが、デート中の彼女にとってもらったような写真をあげるとか。
自分が彼女になった気分になれるから、キュンキュンするやつ!」
日奈子(というか、私がそれ絶対見たい!)
凛「お、いいじゃん蓮。俺が撮影してやるよ。この敏腕カメラマンに任せなさい!」
蓮「凛は明日ファッション雑誌の撮影があるだろ。明日の夜から公開するから、
明日の昼までに撮らなきゃいけなくて…」
凛「そうか、じゃあ日奈子に撮影して貰えばいいんじゃないか?」
日奈子「え、私!?」
蓮「そうだな…お願いできるかな、日奈子ちゃん」
日奈子「学校休みだし、予定ないし…いいけど、上手に撮れるかなぁ」
蓮「スマホのカメラで気軽に撮るだけだし大丈夫だよ。じゃあ明日よろしくね」
不安そうな顔の日奈子に微笑みかける蓮。
◆翌朝 家の前
蓮「行こうか。晴れてよかったね」
日奈子「うん」
蓮「今回のソロ曲は友達以上恋人未満の異性への気持ちを歌った歌詞なんだ。
その雰囲気っぽい写真を撮らなきゃいけなくて…。
俺が付き合う前の子と行くならここ、て場所なんだけど、ついてきてくれる?」
日奈子「もちろん!」
日奈子(蓮君と二人でお出かけするなんて、ドキドキする…!)
蓮「混んでるところは苦手だから、ゆっくりしよう」
◆おしゃれなカフェの店内
日奈子(テラス席のあるおしゃれなお店。よく知ってるなぁ蓮君)
店員「ご注文は?」(イケメンな蓮を見て頬を赤らめている)
蓮「俺はホットココア。日奈子ちゃんは?」
日奈子「あ、カフェラテでお願いします」
蓮「ふふ、おいしいね」
カシャッ
正面に座っている日奈子がスマホで写真を撮る。
伊達メガネ、カーディガン、髪はワックスをかけたオフの姿の蓮が、
ホットココアを両手で持ち、上目遣いをしている写真。
#初デート #コーヒーは飲めないからココアで #cafe
蓮(上目遣いやばい!彼女目線のオフ感蓮君、尊すぎる〜〜!!)
◆場面転換 本屋
蓮「本屋寄ってもいいかな。今日発売の欲しい本があるんだ」
日奈子「いいよ。蓮君普段はどんな本読むの?」
蓮「ミステリーとか好きかな…。歴史物もよく読むよ」
カシャッ
本棚から本を手に取り、真剣な顔でページをめくっている蓮の写真。
#実は本好き #ミステリーと歴史物どっちにしようかな #BOOK
日奈子(くう〜文学男子な蓮君も、解釈一致すぎて感謝しかない!!)
◆場面転換 公園のベンチ
蓮「ふう、結構歩いたから休憩しようか」
日奈子「うん。結構たくさん撮れたね。そういえば、ソロ曲ってどんな曲なの?」
蓮「ああ、サンプルを送ってもらったから、一緒に聴こうか。
イヤホン片方貸すね」
日奈子「あ、ありがとう…」
ベンチで寄り添い、スマホを片手に持った蓮が至近距離にいる。
耳からは穏やかなバラードが流れ、蓮の声が聴こえる。
(素敵な曲…ほんと、蓮君の歌声って、心がすっと落ち着くな…)
(あ、その顔…!)
自分の曲を聴きながら微笑む蓮の自然な表情が良くて、日奈子が写真を撮る。
カシャっ
#片耳イヤホン #二人で新曲を聴こう #Music
蓮「あ、今写真撮った?」
日奈子「うん、すごい自然で、いい笑顔だったから…!」
蓮「そっか、俺やっぱ歌うの好きだからさ。自然とリズムとっちゃってたのかも」
眉を下げて恥ずかしそうに笑う蓮。
(まさに本当の彼女しか見れないような距離、シチュエーション…!
撮影係とはいえ、役得すぎる…!一生分の運を使い果たした…!?)
蓮「ありがとう、日奈子ちゃん」
日奈子「いやいや、どうせ暇だったし!ジェミニの役に立てるならいつでも呼んでね」
蓮「いや、今日のことだけじゃなくて…。
俺も凛も、小さい頃から母親はいなくて、父親は忙しく仕事してたから。
家に帰ったら笑顔で出迎えてくれる人がいるの、すごく嬉しいんだ」
日奈子「そんな…私は凛君みたいのおいしいご飯も作れないし…蓮君ほど綺麗に掃除もできない…。ただ待ってるだけで…」
蓮「それでいいんだよ。家族って温かいなって思ったんだ」
日奈子「私も、お母さんが忙しくていつも家で一人だったから、
二人がお兄ちゃんになってくれて嬉しいよ!」
蓮「よかった。俺たちのせいでこの前の炎上騒動みたいに色々と面倒なこともあると思うけど、これからもよろしくね。じゃ…寒くなるしそろそろ帰ろうか」
夕焼けが蓮の顔を染める。
穏やかな笑みを浮かべて、日奈子に手を差し伸べる蓮。
カシャ。
#そろそろ帰ろう #楽しかったね #Orange
蓮「あ、また撮ったね」
日奈子「すごく…ファンが喜ぶ構図だったから…!」
蓮「はは、さすが日奈子ちゃん」
◆場面転換 次の日、日奈子の高校の教室
友人1「日奈子! 昨日公開された蓮君のSNSやばいよね!」
友人2「めっちゃ彼女視点でキュン死にだわー!」
日奈子「あはは、だよね」
友人1「誰が撮ったんだろう。ファンの気持ちわかりすぎてる!」
友人2「オフ感と特別感あるのに、女の影は見えないのが良い!」
(それはこの前の炎上で懲りたから、絶対私が写り込まないようにしたんだよね…。
好評なようでよかった。お手伝いができたかな)
◆場面転換 タレント事務所
マネージャー「蓮、よくやったな!新曲用の宣伝SNS、大人気だ!
一日で20万人もフォロワーがついたぞ」
ダンスの練習をしていて汗を拭いている蓮。喜ぶマネージャー。
蓮「そうですか」
マネージャー「新曲のMVももうすぐ100万再生いきそうだ。これは順調だな…!」
蓮「よかったです」
蓮「…やっぱり、実際の相手に対して本心を歌ったのが良かったのかな…」
ぼそっと呟いた言葉は、誰にも聞かれていない。
回想シーン
『友達以上恋人未満の気になる異性に歌った曲なんだ』
カフェで正面に座り、カフェラテを飲んでいる日奈子。
本屋でジェミニが表紙のアイドル雑誌を手に取っている日奈子。
ベンチの隣で頬を赤くしてイヤホンをつけて曲を聴いている日奈子。
昨日の、蓮から見た視点の日奈子を思い出し、自然と微笑む蓮。
蓮(なんだかほっとけない子ができたんだ。それだけ)