ポケット
コートを羽織り、ボーナスが入り、少し奮発して買ってしまったバッグを手に美桃は家を出て待ち合わせ場所へと向かう。今日は高校卒業時から付き合って六年の深雪颯星(みゆきはやせ)とデートだ。
もう何度颯星とデートをしたかわからない。しかし、最近彼とのデートに向かおうとすると、美桃の胸に緊張が走る。足が少し重くなったような気がして、美桃の歩く足のスピードが遅くなる。
(……今日こそ、マンネリ打破できるかな)
美桃は、最近の颯星の態度に大きな不安を抱いているのだ。
待ち合わせ場所である駅に着くと、颯星はすでに待っていた。スマホの画面をぼんやりと見ており、美桃は慌てて駆け寄る。
「ごめん!待った?」
「いや、大丈夫。行こうか」
颯星はすぐにスマホから顔を上げ、美桃を真っ直ぐに見つめた。しかし、美桃の服や髪を褒めることなくさっさと切符を買いに行ってしまう。それを見て、美桃の胸が痛みを訴えた。
(メイクも髪も頑張ったのに、褒めてくれない……)
もう何度颯星とデートをしたかわからない。しかし、最近彼とのデートに向かおうとすると、美桃の胸に緊張が走る。足が少し重くなったような気がして、美桃の歩く足のスピードが遅くなる。
(……今日こそ、マンネリ打破できるかな)
美桃は、最近の颯星の態度に大きな不安を抱いているのだ。
待ち合わせ場所である駅に着くと、颯星はすでに待っていた。スマホの画面をぼんやりと見ており、美桃は慌てて駆け寄る。
「ごめん!待った?」
「いや、大丈夫。行こうか」
颯星はすぐにスマホから顔を上げ、美桃を真っ直ぐに見つめた。しかし、美桃の服や髪を褒めることなくさっさと切符を買いに行ってしまう。それを見て、美桃の胸が痛みを訴えた。
(メイクも髪も頑張ったのに、褒めてくれない……)