君との恋のエトセトラ
第一章 社会人デビュー
(りん)ちゃん。ようこそ、我が営業部へ!」
「かんばーい!」

皆が一斉にグラスを上げ、凛も笑顔で応える。

(これで何回目?もう5回は乾杯したわよね)

お酒で頭がぼんやりして、はっきりとは思い出せない。

身体もどこかふわふわする中、グラスを口に運ぼうとした時、ふいに右手が動かなくなった。

あれ?と思いながら視線を落とすと、たった今なみなみと注がれたばかりのグラスが空になっている。

(え、ええ?!どうして…)

凛は狐につままれたように、パチパチと瞬きを繰り返していた。
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