君との恋のエトセトラ
日曜日はゆっくりと身体を休ませて、平日に備える。
通勤時間が短くなった為、すっかり体調ももとに戻り、凛は毎日を楽しく過ごしていた。
そしてMoonlightでの動画撮影の日がやって来た。
航と一緒にいつものビジネススーツで訪れると、んー…と梅田は考え込んでから、ジャケットだけ脱いで座って、と凛をドレッサーの前に促した。
脚立に載せたカメラをいくつか設置して、早速撮影を開始する。
「皆様、こんにちは。Moonlightのセレーネシリーズを開発しました梅田と申します。セレーネシリーズ、もうお試し頂けましたでしょうか?『私を超えて 自分を魅せる』というキャッチコピー通り、このセレーネを使えば、いつもと違う自分に出逢えると思います。今日は私から皆様に、セレーネを使ったメイクのワンポイントをお伝えしたいと思います」
パチパチーと、梅田の前でケーブをつけて座る凛が小さく拍手する。
「えー、今日のモデルはこの方!なんと、セレーネシリーズの広告デザインを考えてくれた立花さんです。よろしくお願いします」
「こ、こちらこそ。どうぞよろしくお願い致します」
思わぬ紹介を受けて、凛は一気に固くなった。
「ご覧の通り、立花さんは今軽くオフィスメイクをしています。これはご自分で?」
「はい。メイクが下手なので、いつもこれくらいしか出来ません」
「なるほど、分かりました。ではこれからセレーネシリーズを使って、普段のオフィスでも派手過ぎず、仕事が出来るイメージのメイクをしたいと思います。まずは一度メイクを落としますね」
そう言ってクレンジングシートで凛のメイクを落とす。
「初めにベースメイクから。立花さんの顔色に合うものを選んでいきます」
梅田は手際良く凛の顔に下地を塗り、時には自分の指を使いながらコツを紹介する。
「目尻の部分はこんなふうに反対の指で引っ張りつつ、薬指を使って優しくトントンと叩いていきます。あと、耳の入り口のぷくっとした部分も忘れずに塗ってください」
なるほど、と凛は鏡を見つめながら頷く。
そのうちに、ん?と首をひねった。
「あの、顔の半分だけメイクしてるんですね?」
「そうなんです。違いを分かりやすくする為、まずは半分だけメイクしています。本来の眉の形と見比べながら、この部分をもう少ししっかり山にして…とか、アイラインも最後はどう跳ねようか、など、考えてみるといいと思います」
へえーと凛は感心する。
「オフィスなので明るい色味は抑えて、その分目元をはっきりさせるといいと思います。セレーネのマスカラはまつ毛が長く見え、長時間持ちますよ」
こんな感じです!と、梅田は笑顔で鏡を覗き込む。
「左右見比べてみると、違いがお分かり頂けると思います。目がぱっちり大きく見え、きりっと大人っぽく生き生きとした印象ですよね。あとはもう半分も、同じようにメイクしてみましょう」
はい、完成です!と言われて、凛はまじまじと鏡の中の自分を見つめる。
「どうですか?立花さん」
「はい、なんだか自分じゃないみたいです。童顔なので幼く見られることが多くて、学生と間違われたりしますが、これなら仕事の話も自信を持って出来そうです」
「ええ。バリバリのキャリアウーマンに見えますよ。童顔でお悩みの方は、フェイスラインをシャープにするのがオススメです。ファンデーションの前に、顎のラインにダークな色を載せるといいですよ。じゃあ立花さん。スーツのジャケットを着てみてください。髪も軽くまとめますね」
最後に凛は立ち上がって、鏡に全身を映した。
「おおー、見違える程綺麗になりましたね。今回のワンポイントレッスンを見ながら、ぜひご自分でもメイクを楽しんでくださいね」
「はい、ありがとうございます!」
「それでは、オフィスメイク編はここまで。次はパーティーメイク編です。どうぞお楽しみに!」
梅田につられて一緒にカメラに手を振り、凛は笑顔のまま、ん?と首をかしげる。
(次はって、え?まだあるの?パーティーメイク編って?)
すると、はいOKです!とカメラマンが声をかけた。
通勤時間が短くなった為、すっかり体調ももとに戻り、凛は毎日を楽しく過ごしていた。
そしてMoonlightでの動画撮影の日がやって来た。
航と一緒にいつものビジネススーツで訪れると、んー…と梅田は考え込んでから、ジャケットだけ脱いで座って、と凛をドレッサーの前に促した。
脚立に載せたカメラをいくつか設置して、早速撮影を開始する。
「皆様、こんにちは。Moonlightのセレーネシリーズを開発しました梅田と申します。セレーネシリーズ、もうお試し頂けましたでしょうか?『私を超えて 自分を魅せる』というキャッチコピー通り、このセレーネを使えば、いつもと違う自分に出逢えると思います。今日は私から皆様に、セレーネを使ったメイクのワンポイントをお伝えしたいと思います」
パチパチーと、梅田の前でケーブをつけて座る凛が小さく拍手する。
「えー、今日のモデルはこの方!なんと、セレーネシリーズの広告デザインを考えてくれた立花さんです。よろしくお願いします」
「こ、こちらこそ。どうぞよろしくお願い致します」
思わぬ紹介を受けて、凛は一気に固くなった。
「ご覧の通り、立花さんは今軽くオフィスメイクをしています。これはご自分で?」
「はい。メイクが下手なので、いつもこれくらいしか出来ません」
「なるほど、分かりました。ではこれからセレーネシリーズを使って、普段のオフィスでも派手過ぎず、仕事が出来るイメージのメイクをしたいと思います。まずは一度メイクを落としますね」
そう言ってクレンジングシートで凛のメイクを落とす。
「初めにベースメイクから。立花さんの顔色に合うものを選んでいきます」
梅田は手際良く凛の顔に下地を塗り、時には自分の指を使いながらコツを紹介する。
「目尻の部分はこんなふうに反対の指で引っ張りつつ、薬指を使って優しくトントンと叩いていきます。あと、耳の入り口のぷくっとした部分も忘れずに塗ってください」
なるほど、と凛は鏡を見つめながら頷く。
そのうちに、ん?と首をひねった。
「あの、顔の半分だけメイクしてるんですね?」
「そうなんです。違いを分かりやすくする為、まずは半分だけメイクしています。本来の眉の形と見比べながら、この部分をもう少ししっかり山にして…とか、アイラインも最後はどう跳ねようか、など、考えてみるといいと思います」
へえーと凛は感心する。
「オフィスなので明るい色味は抑えて、その分目元をはっきりさせるといいと思います。セレーネのマスカラはまつ毛が長く見え、長時間持ちますよ」
こんな感じです!と、梅田は笑顔で鏡を覗き込む。
「左右見比べてみると、違いがお分かり頂けると思います。目がぱっちり大きく見え、きりっと大人っぽく生き生きとした印象ですよね。あとはもう半分も、同じようにメイクしてみましょう」
はい、完成です!と言われて、凛はまじまじと鏡の中の自分を見つめる。
「どうですか?立花さん」
「はい、なんだか自分じゃないみたいです。童顔なので幼く見られることが多くて、学生と間違われたりしますが、これなら仕事の話も自信を持って出来そうです」
「ええ。バリバリのキャリアウーマンに見えますよ。童顔でお悩みの方は、フェイスラインをシャープにするのがオススメです。ファンデーションの前に、顎のラインにダークな色を載せるといいですよ。じゃあ立花さん。スーツのジャケットを着てみてください。髪も軽くまとめますね」
最後に凛は立ち上がって、鏡に全身を映した。
「おおー、見違える程綺麗になりましたね。今回のワンポイントレッスンを見ながら、ぜひご自分でもメイクを楽しんでくださいね」
「はい、ありがとうございます!」
「それでは、オフィスメイク編はここまで。次はパーティーメイク編です。どうぞお楽しみに!」
梅田につられて一緒にカメラに手を振り、凛は笑顔のまま、ん?と首をかしげる。
(次はって、え?まだあるの?パーティーメイク編って?)
すると、はいOKです!とカメラマンが声をかけた。