君との恋のエトセトラ
第六章 仕事と日常
「おはようございまーす。あれ?凛ちゃん、一人?」
オフィスに入って来た木原に声をかけられ、凛は立ち上がって挨拶する。
「おはようございます。さっきまで課長や戸田さん達もいらしたんですけど、皆さん外回りに出掛けられました」
「そうなんだ。いやー、俺も今日は一日外にいる予定だったんだけど、急に資料作らなきゃいけなくなってさ」
「そうなのですね、お疲れ様です」
デスクでパソコンを立ち上げ、分厚い書類を手に真剣に資料を作り始めた木原に、凛はコーヒーを持っていく。
「こちらに置いておきますね。よろしければどうぞ」
「ありがとう、凛ちゃん。お?俺がブラックしか飲まないの知ってたの?」
「はい。皆さんのコーヒーのお好みはひと通り」
「ええ?30人近くいるのに?よく覚えられたね」
「それが案外簡単なんですよ。ほとんどの方はブラックで、ミルクやお砂糖を入れる方は5人だけなので」
「へえー、そうなんだ。分かった!そのうちの一人は戸田でしょ?」
「ふふふ、はい」
「あいつお子ちゃまだもんなー。砂糖ドバドバ入れてるの見たことあるもん。他は誰?」
凛は微笑みながら視線を逸らす。
「えーっと、内緒です」
「なんでさー。教えてよ、ね?」
「でも個人情報ですから」
「あはは!そんな深刻な話じゃないって。それだけためらうってことは、意外な人なんだ?」
「えっと、まあ、そうですかね?」
やんわりと濁すと、木原は真剣に考え始めた。
「意外な人、うーん。航…はブラックだしな。あ!もしかして課長?」
否定せずににこやかに笑っていると、木原は確信したらしい。
「そっかー、それは知らなかったな。ミルクと砂糖、両方入れるの?結構ガッツリと?」
凛は小さく頷く。
「へえー、意外だな。課長、血圧高めだって言ってたけど、大丈夫なのかな?」
「そうなんです。だから私も、低脂肪ミルクとカロリーオフのお砂糖を使うようにしていて…」
「うわ、凛ちゃんそんなことまで気を遣ってくれてたんだ」
「いえ、大したことでは。それより木原さん、お時間大丈夫ですか?」
「あ、ヤベッ!」
木原は腕時計を見ると、慌てて椅子に座り直した。
オフィスに入って来た木原に声をかけられ、凛は立ち上がって挨拶する。
「おはようございます。さっきまで課長や戸田さん達もいらしたんですけど、皆さん外回りに出掛けられました」
「そうなんだ。いやー、俺も今日は一日外にいる予定だったんだけど、急に資料作らなきゃいけなくなってさ」
「そうなのですね、お疲れ様です」
デスクでパソコンを立ち上げ、分厚い書類を手に真剣に資料を作り始めた木原に、凛はコーヒーを持っていく。
「こちらに置いておきますね。よろしければどうぞ」
「ありがとう、凛ちゃん。お?俺がブラックしか飲まないの知ってたの?」
「はい。皆さんのコーヒーのお好みはひと通り」
「ええ?30人近くいるのに?よく覚えられたね」
「それが案外簡単なんですよ。ほとんどの方はブラックで、ミルクやお砂糖を入れる方は5人だけなので」
「へえー、そうなんだ。分かった!そのうちの一人は戸田でしょ?」
「ふふふ、はい」
「あいつお子ちゃまだもんなー。砂糖ドバドバ入れてるの見たことあるもん。他は誰?」
凛は微笑みながら視線を逸らす。
「えーっと、内緒です」
「なんでさー。教えてよ、ね?」
「でも個人情報ですから」
「あはは!そんな深刻な話じゃないって。それだけためらうってことは、意外な人なんだ?」
「えっと、まあ、そうですかね?」
やんわりと濁すと、木原は真剣に考え始めた。
「意外な人、うーん。航…はブラックだしな。あ!もしかして課長?」
否定せずににこやかに笑っていると、木原は確信したらしい。
「そっかー、それは知らなかったな。ミルクと砂糖、両方入れるの?結構ガッツリと?」
凛は小さく頷く。
「へえー、意外だな。課長、血圧高めだって言ってたけど、大丈夫なのかな?」
「そうなんです。だから私も、低脂肪ミルクとカロリーオフのお砂糖を使うようにしていて…」
「うわ、凛ちゃんそんなことまで気を遣ってくれてたんだ」
「いえ、大したことでは。それより木原さん、お時間大丈夫ですか?」
「あ、ヤベッ!」
木原は腕時計を見ると、慌てて椅子に座り直した。