君との恋のエトセトラ
「おーい、みんな!今日から来てくれることになった派遣社員さんだ」

翌日。
再び進藤課長に出迎えられて、営業部第一課の部屋に案内された凛は、緊張しながら挨拶する。

「初めまして、立花 凛と申します。何も分からない未熟者ですが精一杯努めます。どうぞよろしくお願い致します」

ずらりと並んだデスクは30席ほどあったが、部屋にいるのは3人だけだった。

「おー、遂に我が一課に女の子が!」
「初めまして!えっと、凛ちゃん」
「男ばっかりだけどよろしくねー。って言っても、今はみんな外回りでいないんだ」

20代のまだ若い3人の男性社員が口々にそう言って、凛に笑顔を向ける。

「お前達もさっさと行けよー。今月のノルマ、忘れるなよ」
「はーい。ところで課長、凛ちゃんの歓迎会は?」

いえ、そんな、歓迎会なんて…と恐縮する凛を尻目に、社員達は課長に提案する。

「早速今夜にしましょうよ。夜ならみんな集まれると思いますし」
「うんうん。直帰のメンバーもいるから、居酒屋直行にしてもらいましょ」
「俺、いつもの店の予約入れておきます」

(さすがは営業マン。即決して即実行なのね)

凛は感心しながらテキパキと動き始めた社員達を見ていた。
< 5 / 168 >

この作品をシェア

pagetop