君との恋のエトセトラ
「ただいま」
玄関を開けて靴を脱いでいると、凛が出迎えに来た。
「お帰りなさい!Moonlightとの打ち合わせ、無事に終わったんですか?」
「うん。今日のところはね」
「そうですか、お疲れ様でした。すぐに夕食にしますね。今夜は煮込みハンバーグです」
「ありがとう」
部屋で着替えてからダイニングに向かう。
凛もまだ食べていなかったらしく、二人で食卓を囲んだ。
「美味しい!ソースで煮込んであるの?このハンバーグ」
「はい。デミグラスソースに少し赤ワインを入れて」
「へえ、そうなんだ。つけ合わせの野菜もこのソースで食べよ」
そう言って航がブロッコリーや人参をソースに絡めようとすると、凛が立ち上がった。
「はい。こちらをどうぞ」
小皿にソースを入れてテーブルに置いてくれる。
「ありがとう!このソース、本当に美味しいよ」
「ふふ、良かったです」
じっくり味わっていると幸せな気持ちが込み上げてきて、航は梶谷常務のセリフを思い出した。
(良い奥さんがサポートしてくれてる、か。確かにこんなふうに毎日が充実してるのは、彼女のサポートのおかげだ。それが見た目にも分かるなんて、俺ってそんなに助けられてるんだな)
そっと視線を上げると、目が合った凛が、ん?と首をかしげる。
「どうかしましたか?」
「あ、いや、別に」
慌てて下を向くと、凛は箸を置いて控えめに声をかけてきた。
「河合さん。ひょっとして、Moonlightとの打ち合わせで何かあったのですか?」
「いや、そんなことはないよ。わざわざ常務の方がお相手してくださったんだけど、すごく良い方だった」
「そうなのですか?良かったですね」
「うん。それで、実は…。君にお願いがあって」
「私に?何でしょう」
「えっと、新作発表会に招かれたんだけど、一緒に行ってもらえないかな?」
は?と凛は素っ頓狂な声を上げる。
「Moonlightの新作発表会ですよね?どうして私が?」
「梶谷さんが…、あ、先方の常務の方がね。君がアドバイスしてくれたSP広告の話をしたら、ぜひ君も来て欲しいって。と言うか、連れて来なさいって」
「ええー?!なぜですか?意味が分からないんですけど。どうやったらそんな話の流れに?」
「まあ、色々あって。ごめん。気乗りはしないと思うけど、俺の顔を立てると思って一緒に行ってくれないかな?」
「えっと。河合さんのお役に立てるならいいのですが、どう考えても足を引っ張ってしまうと思います。私は行かない方が…」
「いや、君が来てくれないと俺が責められるんだ。頼む!今回だけは一緒に行って欲しい」
頭を下げると、凛は慌てて手を伸ばした。
「そんな!分かりました。行きますから」
「ほんとに?いいの?」
「はい。でもお邪魔になりそうならすぐに退散しますね」
「そんなことはないよ。ありがとう!」
ホッとする航を見て、凛もようやく笑顔になった。
玄関を開けて靴を脱いでいると、凛が出迎えに来た。
「お帰りなさい!Moonlightとの打ち合わせ、無事に終わったんですか?」
「うん。今日のところはね」
「そうですか、お疲れ様でした。すぐに夕食にしますね。今夜は煮込みハンバーグです」
「ありがとう」
部屋で着替えてからダイニングに向かう。
凛もまだ食べていなかったらしく、二人で食卓を囲んだ。
「美味しい!ソースで煮込んであるの?このハンバーグ」
「はい。デミグラスソースに少し赤ワインを入れて」
「へえ、そうなんだ。つけ合わせの野菜もこのソースで食べよ」
そう言って航がブロッコリーや人参をソースに絡めようとすると、凛が立ち上がった。
「はい。こちらをどうぞ」
小皿にソースを入れてテーブルに置いてくれる。
「ありがとう!このソース、本当に美味しいよ」
「ふふ、良かったです」
じっくり味わっていると幸せな気持ちが込み上げてきて、航は梶谷常務のセリフを思い出した。
(良い奥さんがサポートしてくれてる、か。確かにこんなふうに毎日が充実してるのは、彼女のサポートのおかげだ。それが見た目にも分かるなんて、俺ってそんなに助けられてるんだな)
そっと視線を上げると、目が合った凛が、ん?と首をかしげる。
「どうかしましたか?」
「あ、いや、別に」
慌てて下を向くと、凛は箸を置いて控えめに声をかけてきた。
「河合さん。ひょっとして、Moonlightとの打ち合わせで何かあったのですか?」
「いや、そんなことはないよ。わざわざ常務の方がお相手してくださったんだけど、すごく良い方だった」
「そうなのですか?良かったですね」
「うん。それで、実は…。君にお願いがあって」
「私に?何でしょう」
「えっと、新作発表会に招かれたんだけど、一緒に行ってもらえないかな?」
は?と凛は素っ頓狂な声を上げる。
「Moonlightの新作発表会ですよね?どうして私が?」
「梶谷さんが…、あ、先方の常務の方がね。君がアドバイスしてくれたSP広告の話をしたら、ぜひ君も来て欲しいって。と言うか、連れて来なさいって」
「ええー?!なぜですか?意味が分からないんですけど。どうやったらそんな話の流れに?」
「まあ、色々あって。ごめん。気乗りはしないと思うけど、俺の顔を立てると思って一緒に行ってくれないかな?」
「えっと。河合さんのお役に立てるならいいのですが、どう考えても足を引っ張ってしまうと思います。私は行かない方が…」
「いや、君が来てくれないと俺が責められるんだ。頼む!今回だけは一緒に行って欲しい」
頭を下げると、凛は慌てて手を伸ばした。
「そんな!分かりました。行きますから」
「ほんとに?いいの?」
「はい。でもお邪魔になりそうならすぐに退散しますね」
「そんなことはないよ。ありがとう!」
ホッとする航を見て、凛もようやく笑顔になった。