君との恋のエトセトラ
宴もたけなわとなった頃、襖が開いてスーツ姿の男性が現れた。

「おー、(わたる)!お疲れ様。遅かったな」
「ああ、すまん。クライアントと会食してた」
「おっ、もしかして。新規の顧客ゲットか?」
「うん、まあ」
「うわー、また今月もお前がぶっち切りの成績トップだな」

凛は皆の会話を聞きながら、ビール瓶を手にその男性のもとへ行く。

「あの、初めまして。今日からお世話になります、派遣社員の立花と申します」

控えめに声をかけると、右隣の社員と話していた男性が、ふと凛を振り返った。

「ああ、初めまして。営業部第一課の河合(かわい)です。よろしく」
「よろしくお願い致します。本日もお疲れ様でした。どうぞ」
「ありがとう」

凛は男性が手にしたグラスにビールを注ぐ。
すると、木原と名乗った社員が声を張って皆を見渡した。

「えー、航も到着して全員集合となったところで、今一度、乾杯を!ほら、凛ちゃんも」

そう言って凛の前にあったグラスにビールを注ぐ。

「凛ちゃん。ようこそ、我が営業部へ!」
「かんぱーい!」

そして今日何度目かの乾杯が始まった。
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