きらめきクライマックス!
……恋って、こうなんだ。好きって、こうなんだ、と思い知る。
この感覚を知ってしまえば余計に、衣月くんに抱いた思いが“好き”なんかじゃなかったと実感する。あんなの好きでも恋でもなんでもなかった。かっこいい芸能人に抱く一種の憧れ的感情と同じだ。
さっきよりはだいぶ落ち着いてきたものの、まだまだソワソワは止まらない。そんなに広くはないこの部屋を、勝手ながらも見渡させてもらう。
ラグのブラウンのような、茶色とアイボリーに統一された部屋。優しくて柔らかい色味が朝陽っぽいなって思った。
シャツが掛けられているところや、机の上に参考書とシャーペンが置きっぱなしになっているところとか、生活感を受けてまたちょっとだけどきっとした。
ふと、棚の上に飾ってある写真立てが目に入った。吸い込まれるように惹かれて、目の前に立ってその写真を眺めた。