きらめきクライマックス!
小さな子供をあやすような優しい温もり。衣月くんのせいで冷えた心に染み渡る。朝陽の大きくて温かい手のひらがわたしの頬に触れて優しく涙を拭ってくれる。
わたしもう、その手にしか触れてほしくない。
……けれど。
“朝陽は左”
衣月くんの声が、頭の中、ぐるぐる回る。
好き、大好きだ、一緒にいたい、わたしは他の誰でもないきみとたくさんの時間を過ごしたい。だけどわたしはその思いに反して、たぶんまだ朝陽のこと全然知らない。
同じ顔だったとしてもどっちって見抜けないようなわたしが、軽率に好きだとか恋だとかを伝えては、想っては、いけない。