きらめきクライマックス!



茉莉から引き剥がすために肩を掴まれた手を払おうとして、怨念込めて睨みつけようとしたところで、目が合った彼は、ダークブラウンの瞳に温かい光を宿してふわりとわたしに微笑みかけた。



「迎えにきたよ、しゅんちゃん」と小さく呟いて、今度は体全部がひゅっと浮く感覚がして、客観的に自分を見てみると、間違いなく彼がわたしを抱き抱え、腕の上にわたしが座るような体勢になっていた。



明らかに重いはずなのに軽々とわたしを持ち上げているおかげで、目線はわたしの方が高くなっている。まるでお父さんに高い高いをされた子どものような気持ちだ。


同じ黒髪でも藤衣月とは違うゆるくウェーブのかかった髪が目に入って、それから彼がわたしを見上げて、吸い込まれそうな目に優しく見つめられて。それから、




「さて、行こうか。しゅんちゃん」





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