きらめきクライマックス!
「……わかった」と彼女の言葉を尊重して、静かに彼女が帰ろうと俺の横を通った瞬間に初めて気がついた。
俺でも駿花でもない、おそらく女物のチョコレートのような甘くてくどくなりそうな香りが駿花に残っていたことに。
この匂いは、知っていた。……たった今、どうしてか俺の部屋から出てきた顔だけ同じのそいつの匂いだった。
パーマをかけた俺とは違う、黒髪ストレートのこの男。十中八九、駿花を泣かせたのはこいつだと確信する。
「……衣月、駿花に何した」
「逆に朝陽、てめぇは何したんだよ」
は?何がだよ。
質問に対して同じ質問を返され、衣月に負けず劣らず不機嫌が面に現れる。勝手に眉間にしわが寄る。