きらめきクライマックス!
そうしてやっと、初めて好きになった女の子だって俺のほうを向き始めてきたのに、どうしたって彼女が感情を露わにするのは衣月だ。
俺は駿花を泣かせないけど、駿花は俺の一挙一動で泣いてはくれない。
ふと、棚の上の小さい頃の写真が目に入った。例えばこの写真も、駿花が一目見て惹かれるのは衣月のほうだろう。
この頃から落ち着いていて、大人びた印象だ。“左”の衣月と、“右”の俺。きっと俺になんて見向きもしない。
ピースしてカメラに笑顔を向ける右の俺より、控えめに笑う衣月がいいに、違いない。
ここ最近、すこしずつ膨れ上がっていった自信はすぐにしおれていく。
朝陽、と俺の名前を呼ぶ君を捕まえておくので精一杯。
すこしでも離したらふわふわと飛んでいってしまいそうだ。俺が駿花の喜怒哀楽を引き出したい。
_______早くこっちを向いて、駿花。
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