きらめきクライマックス!
──翌日の体育、森下駿花が倒れた。体育館の半分。
その先で、知らない女の「駿花!?」と叫ぶ声が聞こえて、状況を把握しようとした瞬間に、朝陽が迷わず一直線、隔てた半分の向こう側に走っていった。
俺では状況をしっかり把握できない中、おそらく朝陽はずっとあの女のことを見ていたから、あの女を呼ぶ声が聞こえてきたから勝手に体が動いたんだろう。
なんていうか、あぁ、こういうところなのかもしれない、と思った。俺じゃ無理だ。誰かのためにこうして何も考えずに動けない。体は勝手に動かない。
誰かのことで頭がいっぱいになるくらい、人を想えない。常に誰かを考えていること、考えたくなる存在ができること、そうなるまで人と関わろうとしなかった。
あぁ、こういうところか。
常に比較されてきた朝陽と俺の違うところはここか、と納得はしたくないが理解はできた気がした。