きらめきクライマックス!

#駿花side






*




森下駿花15歳、人生最大のやらかしかもしれない。


自分のキャパオーバーも知らないまだまだ未熟なわたし。たくさんの人に迷惑と心配をかけてしまったと、思う。自己嫌悪に苛まれながら、外の感覚を引き込もうとする。



「ん……」



重い瞼をゆっくりと持ち上げて、黒かった視界に光を取り入れる。飛び込んでくる白い天井、鼻につく薬品の匂い、と、もうひとつ。近くから漂う匂い、わたし、知ってる。




その方向へ、その匂いがするほうへ顔を向けると、横たわるわたしの近くに座っていたのは想像通りのひとだった。その香りの、持ち主。




「……衣月くん、」


「やっと目、覚めたかよ」





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