きらめきクライマックス!
昇降口を抜けて、まっすぐ、その先、見つけた。後ろ姿だけで、わたしにとっては特別なその人。
校舎から門まで一直線の長い道。この道には慣れていくのかな、なんてあの日も考えていたっけ。
シチュエーション、場所は同じで、時間と、方向と、気持ちと、抱く想いと、それを向ける相手が、違う。
駆け出して、その人に向かって、あの時とは違う相手に違う想いを、ぶつける。
「朝陽!!」
あの日、衣月くんの名前すら知らなかった。定期を落とした彼に落とし物を返すだけの予定だった。
今、衣月くんではなく朝陽を呼ぶ。もう呼び慣れたその名前を。