【第二部】天妃物語 ~「私以外にもたくさん妻室がいた天帝にお前だけだと口説かれます。信じていいのでしょうか」~
「義姉上、おはようございます」
「おはようではありません。なんてはしたない恰好ですか。そんな姿でうろうろしないでください。紫紺と青藍が真似したらどうしてくれるんです」
私はムッとして言いました。
花緑青は薄っすらと酒の匂いを纏っています。昨夜は黒緋と飲み明かし、今までずっと眠っていたのです。私は早朝に叩き起こしたかったですが、黒緋から「昨夜は飲みすぎたようだ。このまま寝かせておいてやってくれ」と頼まれたので我慢しました。
「ははうえ、これだれだ!」
紫紺が不思議そうに花緑青を見ました。
青藍は人見知りをするのか「ばぶっ!? あうう〜……」と顔を小さな手で覆って隠してしまいます。
そうでしたね、紫紺と青藍は眠っていたので初対面でしたね。
「この方は花緑青様といって黒緋様の弟です。あなた方の叔父ですよ」
「ちちうえのおとうと……。オレのせいらんみたいな?」
「そうですね。そういう感じです」
腹違いの兄弟なので厳密に言えば少し違うのですが、同じようなものですよね。三歳の紫紺や赤ちゃんの青藍にはまだ難しいことです。
「ご挨拶してください。できますね?」
「できる! オレはしこんだ! こっちはせいらん、オレのおとうと!」
「あうぅっ、うっ、うっ」
紫紺は上手に自己紹介できましたが青藍は小さな唇を噛みしめて涙目です。小さな手で紫紺にぎゅっとしています。
「せいらんはなくのがしゅみなんだ。ちちうえがいってた」
「えっ、黒緋様そんなこと言ってたんですか?」
青藍は泣くのが趣味とは……。苦笑してしまう。泣き虫の否定はできませんが青藍はまだ赤ちゃんなんですからたくさん泣いていいのです。
そんな甥っ子たちの自己紹介に花緑青は人好きのする笑顔を浮かべました。
「おはようではありません。なんてはしたない恰好ですか。そんな姿でうろうろしないでください。紫紺と青藍が真似したらどうしてくれるんです」
私はムッとして言いました。
花緑青は薄っすらと酒の匂いを纏っています。昨夜は黒緋と飲み明かし、今までずっと眠っていたのです。私は早朝に叩き起こしたかったですが、黒緋から「昨夜は飲みすぎたようだ。このまま寝かせておいてやってくれ」と頼まれたので我慢しました。
「ははうえ、これだれだ!」
紫紺が不思議そうに花緑青を見ました。
青藍は人見知りをするのか「ばぶっ!? あうう〜……」と顔を小さな手で覆って隠してしまいます。
そうでしたね、紫紺と青藍は眠っていたので初対面でしたね。
「この方は花緑青様といって黒緋様の弟です。あなた方の叔父ですよ」
「ちちうえのおとうと……。オレのせいらんみたいな?」
「そうですね。そういう感じです」
腹違いの兄弟なので厳密に言えば少し違うのですが、同じようなものですよね。三歳の紫紺や赤ちゃんの青藍にはまだ難しいことです。
「ご挨拶してください。できますね?」
「できる! オレはしこんだ! こっちはせいらん、オレのおとうと!」
「あうぅっ、うっ、うっ」
紫紺は上手に自己紹介できましたが青藍は小さな唇を噛みしめて涙目です。小さな手で紫紺にぎゅっとしています。
「せいらんはなくのがしゅみなんだ。ちちうえがいってた」
「えっ、黒緋様そんなこと言ってたんですか?」
青藍は泣くのが趣味とは……。苦笑してしまう。泣き虫の否定はできませんが青藍はまだ赤ちゃんなんですからたくさん泣いていいのです。
そんな甥っ子たちの自己紹介に花緑青は人好きのする笑顔を浮かべました。