続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
「…えぇ」


高橋は微妙に答える。
そんな私と高橋のぎこちないやり取りを、鳴海は気にしないで喜んでいた。


「じゃあ、明日の晩御飯からでも頼むよ!」

「うん」

「高橋さん、宜しくお願いします」

「…はい」


鳴海に頼まれた高橋さんは断れる訳がない。

私はご飯を食べ終わり、部屋に戻ると、付け爪を外す。

久し振りに短くなった爪は、違和感を感じた。
でも、これで高橋さんは料理を教えてくれる。
そうすれば、妻らしい事が一つ出来る。


哲平にしてあげられなかった事…。
鳴海にしてあげれば、いいんだよね?


ー翌日

夕飯作りを前に、高橋が言った。


「爪は…大丈夫ですね。じゃあ、エプロンをして下さい」

「じゃあ、今日も無理ですね」

「高橋さんのを貸して貰えたら…」

「他のエプロンは洗濯中で乾いてないんです」


高橋は冷たく言った。


「じゃあ、今日も作れないのね…」

「付け爪をして、エプロンも持ってないなんて、奥様は楽をする為に旦那様と結婚したのかしら」

「……」


何も知らない癖に…。
私がどんな気持ちでこの結婚をきめたのか、
何も知らない癖に……。

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