続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
すると、高橋は私にだけ聞こえるくらい、小さな声で言った。


「こんなに残して…。随分美味しい物を食べて来たんでしょうね。何も出来ないくせに…」


私は何も言わず、急いで部屋に戻った。


”何も出来ないくせに…”


又…。

哲平との生活の記憶が甦る……。

私の傷に、塩が塗られるように…

痛い……。


ーコンコン


「……」

「入るよ?」


鳴海は部屋に入ると、ベッドに座る私の横に座った。


「どうした?」


私は首を横に振る…。


「…やっぱり…俺じゃダメなんだな…」


そう言って、鳴海は寂しそうに部屋を出て行った。

私は動けなかった…。

鳴海に対する気持ちが、同情なのか、愛情なのか、分からない…。


哲平に対する気持ちも…。

私の中途半端な気持ちが、鳴海を傷つける。

この気持ちを、正直に話そう…。

私は、鳴海の部屋へと向かう。


ーコンコン


「私です」

「……」

「入っても…いい?」

「…悪いけど、今は話したくないんだ…」

「…うん、分かった…」


いつだって鳴海は、どんな私も受け入れてくれていたのに…。

でも、
明日になれば、いつもの鳴海に戻っているよね…?


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