続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~

貴方が好きです…

○○駅に着くと、哲平は笑顔で手を挙げた。

私は哲平の方に駆け寄ると、哲平の手を繋ぐ。

きっと哲平も思い出してるよね?
二人で初めてこの町を出た時の事…。

あの頃、何でも出来る気がしていた、まだ幼かった私達……。

哲平は先に買っておいてくれた、兵庫行の切符を渡してくれた。


電車に乗ると私は聞く。


「哲平は、あの時どんな気持ちだったの?」

「…あの時は、本当は不安だった。けど絶対幸せにするって思ってたよ」


哲平はそう言うと、優しく微笑んだ。


「綾香は?」

「私は…哲平となら何でも出来るって思ってた」


哲平は少し照れた顔をすると、笑って言った。


「あの時、綾香寝てたもんなぁ!」

「哲平だって、寝てたじゃん…」

「俺は、前の日眠れなかったんだよ…」


知ってたよ、私…。


心地良いくらいに電車に揺られ、私達は沈黙になると落ち着かなくて、一生懸命話した。

数時間経つと兵庫に着き、電車を降りると、以前とは大分変ってしまった街並みが、目の前に広がっていた。


「この辺も大分変わったんだな…」


哲平は寂しそうに呟いた。


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