続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
「何処から行きたい?」

「一緒に住んでたアパート…」

「…じゃあ行くか」


少し無口になった私は、変わってしまった街並みを見て、思ったんだ。


あの古いアパートはまだある…?

もう取り壊されて、新しいアパートが建ってるかもしれない。


そんな不安を抱えながら、アパートの方に向かうと、あの時と変わらないアパートが、そこにあった。


私はホッとして、哲平と顔を見合わせて笑う。
この階段を上がれば、私達が暮らした部屋がある…。

私達は何も言わないで、階段を上がる。

部屋の前に立つと、知らない表札と、中から赤ん坊の泣き声が聞こえて来た。


あれから何年も経っているんだから、新しい人が暮らしていてもおかしくない…。


でも、やっぱり寂しかった……。


「次行こうか?」

「…うん」


哲平は私の頭をポンポンと軽く叩くと、手を繋いで歩き出した。


私達は電化製品を買ったお店や、よく行ったコンビニに行ったけど、お店の看板が綺麗な物に変わっていたり、よく居た店員さんの姿も見えなかった。


すっかり変わってしまった街…。

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