続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
家に着くと、いつもとは何かが違う気がした。


私は急いで玄関のドアを開ける。


「ただいまっ」


静まり返った家の中に私の声だけが響いた…。


「…鳴海さん?」


私は鳴海の部屋に行き、部屋を見てみたけど鳴海は居ない。

あちこちの部屋を覗いても…
鳴海は居なかった…。

そしてキッチンに行くと、過去に一度あった時と同じように、離婚届と手紙が置いてあった。

私はソッと手紙を開き、読み終えると涙が止まらなかった…。



綾香へ


今迄一緒にいてくれてありがとう。
それから、いっぱい傷つけてごめんな…。

家は売る事にしたから、一週間以内に必要な物を持って行ってくれ。

ネコは俺が連れて行く。

大野と幸せにな。


鳴海




それは、鳴海の精一杯の愛情と優しさで……。

哲平と離れた時の私の気持ちがフラッシュバックして、胸を突き刺した。

こんな苦しい思いを鳴海にさせていたんだ…。

鳴海はずっと一人で全てを背負っていたんだ…。


こんな風になる迄、
気付かなくてごめんね……。

< 125 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop