続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
私は手紙を握りしめて、心当たりのある所に電話をする。


ー鳴海の実家


「綾香です。鳴海さんは帰っていますか?」

「帰ってないけど…。何かあったの?それより貴女って本当に疫病神みたいな人ね。うちの会社がこんな事になったのも、貴女が来てからよ?ちょっと聞いてるの?!」


ー綾香の実家


「鳴海さん来てる?」

「来てないわよ。何かあったの?」


ー高橋さん


「鳴海さんから連絡とか無かった?」

「無いけど…。何かありました?」



何処に居るの?!


もしかして……!!


私は急いで駅に行き、電車に乗った。


一度だけ、鳴海に連れて行って貰ったあの丘に着くと、私は鳴海の姿を探した。


鳴海はここに居る。


絶対に居るんだ…。


「鳴海ー」


大きな声で鳴海の名前を呼ぶと、丘の手入れをしに来ていたおじさんが、ビックリした顔で私を見た。


でも、私は気にしないで鳴海の名前を呼ぶ。


ズルいよ。


自分だけ言いたい事言って…。


「鳴海ー」


その時、一匹の白い猫が私の前に飛び出して来た。


「みぃー…?」


みぃは嬉しそうに擦り寄って来る。


そして、みぃはそのまま歩き出し、私はみぃの後を着いて行った。

< 126 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop