続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
「だから、一日でも早くお願いね」


お義母さんは嬉しそうにそう言った。

赤ちゃんなんて、まだそんな気にもなれない。

でも、鳴海も私も一人っ子だから、子供への期待は私一人に注がれるんだ…。


「…そうですね」


私はそう答えるしかなかった。


「まだ若いから、要らないなんて思ってたら、あっという間に年を取っちゃうんだから」

「……」


お義母さんは言いたい事だけ言うと、鳴海が帰ってくるのも待たないで帰って行った。

あんな人だったっけ?

私は物静かで優しいお義母さんしか、知らない……。

それから毎日のようにお義母さんは家に来て、孫の催促をするようになった…。


お義母さんが帰った後、高橋が言う。


「早く子供を作った方が、いいんじゃないんですか?」

「…私はまだ…」

「…跡取りも生まないんじゃ、何の為に結婚したんだか…。美代子さんだって、やってられないんじゃないかしら?」

「……?」

「さぁ、ご飯の用意でもしなきゃ」


高橋は焦った顔をして、キッチンに向かった。

もしかして、お義母さんはこの結婚に反対だったの?

私、そんな事聞いてない。

< 16 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop