続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
鳴海は何も言わないで、私の頭をクシャクシャに撫でると車に乗った。

車の中は、来る時とは一変して、まるでお通夜状態だ…。


家に着くと、お義母さんが待っていた。


「お帰りなさい。赤ちゃんは出来てたの?婦人科に行ってたんでしょ?」


お義母さんは嬉しそうに言う。


「何で…?」

「高橋さんから電話があったのよ。で、どうだったの?」


高橋は薄笑いをして、キッチンの方に行った。


「…その事で話があるんだ。今度、東条家と進藤家で集まれないか?」

「分かったわ。お父さんに話しておくから」


そう言って、お義母さんはつまらなそうな顔をして帰って行った。


「…何を…言うの?」

「ちゃんと話しておかないと、綾香が辛い思いをするだろ?」

「…?」

「聞かれる度、辛い顔をする綾香を見たくないんだ…。うちの身内だけでも、言っておいた方がそっとしてくれるよ」


そうかな…?

お義母さんは…何て言うだろう…?

考えたくもない…


「綾香?!」


私は何も言わないで、私の部屋に急いだ。


一人になりたい……。

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