続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
ーガチャ


「ただいま」


鳴海の声で目が覚める。


「…お帰り。寝ちゃってて…ごめんなさい」

「いいけど、又学校を休んだんだって?」

「…最近、学校に行く意味が分からないの…」

「…そうだな。綾香は結婚もしているし、特にそう思うかもしれないな…」

「……」

「俺も余り構ってやれないし…何かやりたい事とか無いのか?」


やりたい事?…なんてない。


「……」

「じゃあ、大学を辞めて子供でも作るか?」


子供?
鳴海と私の赤ちゃん…?

でもそれは……。


哲平と、私の赤ちゃん…。

産まれて来れなかった赤ちゃんの事を、忘れるって事…?


「……」

「ごめん。まだ早かったな」


そう言って、鳴海は私の頭をクシャクシャに撫でた。


「ごめんね」

「いいんだよ。綾香が欲しいと思った時で。俺も、二人も養えるか不安だったし」

「……」

「大学を辞めたいなら、やりたい事を探しな」


そう言って鳴海は部屋を出て行った。


”二人も養えるか不安だったし”


鳴海は噓つきだ。


こんな不自由ない生活をさせて、養えない訳がない…。


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