続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
「家に居るなら居るで、私にも連絡くらいしてくれないと…。旦那様も私も、奥様を探すのにどれだけ大変だった事か…」

「いいんだよ、高橋さん。俺がこんな時に携帯を落としたのが悪いんだ。ごめんな、携帯が繋がらなかっただろ?」


鳴海に電話してない……。

そんなに心配を掛けてたなんて……。


「…ごめんな…さい」


私は何で、鳴海じゃなく哲平に頼ろうとしてたんだろう…。

涙が出た……。


「何も無かったんだから、いいんだよ。だから、泣くなよ…」


鳴海に優しい言葉をかけられると、涙は余計止まらなかった…。


翌週、私と鳴海は婦人科に行き、鳴海は正常だと診断が出た。

これから、私は不妊治療に通わなければいけない…。

子供が出来にくいと分かると、妊婦を見るのも、子供を見るのも辛く感じる。


それでも鳴海は、可能性はゼロじゃないんだと励ましてくれ、男の人は余り顔を出したくないだろう、婦人科にもいつも来てくれた。


「もし、子供が出来なかったら…離婚してもいいよ…?」

「バカだな。俺はいいんだよ。綾香がいてくれたら」


鳴海は優しく笑う。

例え子供が出来なくても、いつまでも、こんな風に居られると思ってた……。

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